■解説 |
坂之下(坂下)は鈴ヶ峠(鈴鹿峠)の麓にある。標高357mの鈴ヶ峠は箱根と並び称された東海道の峠の難所。東海道から鈴鹿川渓谷の向こうに見える筆捨山は、木々が生い茂る以前は奇岩が露出し、鈴鹿の景勝のひとつだった。狩野元信が描こうとして及ばず、筆を投げ捨てたことからこの名がついた。
『鈴鹿峠は舗装の新道を避けて、足もとが危ない、谷間の細い旧道を通って坂の下へ。絵にも描けないと狩野元信が筆を捨てたという、筆捨山を描いているが、小生はその伝説にひかれてこれも話の種にと、なんのへんてつもない山をスケッチしておく。』池田遙邨 |