「伐られた株」 1923(大正12)年
池田遙邨「伐られた株」
1923(大正12)年
41.5×51.5cm/絹本着色
作品解説
この時期遙邨はヨーロッパ絵画、とりわけゴヤ、ムンクなどに惹かれていました。そうして、社会の底辺で働く人々や陰惨で深刻なモチーフを描くようになったのです。ここでは伐られた木の切り株を画面の中心に据え、上の空間を大きくとって虚無感を表しています。リング状の光には遙邨の敬虔さが感じられるでしょう。切り株に哀悼の念を抱くことで生命のはかなさ、孤独感を表現していると言えます。洋画から日本画へと転向した若き遙邨の、苦悩に満ちた時代の一端が見られる作品です。
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