日本画家・池田遙邨は、独特のユーモアと暖かさの溢れる作風で、四季折々の自然を描きました。
たとえば日本一の山・富士山ひとつをとっても、威風堂々とした姿で描かれるのではなく、見る人の肩の力がふっと抜けるような、身近で親しみやすい姿で描かれています。
また、遙邨は瀬戸内に生まれ、海を愛して描き続けました。荒れる海、凪いだ海など描かれた様々な海を見ていると、私たちの記憶の中の潮騒が、かすかに聞こえてくるようです。
旅に出て自然と向かい合う時の心情を遙邨は、「遠大無辺な自然に溶け込む、自然の深い心を感じる」と語っています。
遙邨が描く風景の中にしばしば登場するちいさな生き物たちは、遙邨自身もちいさきものとして大いなる自然に溶け込みたいという、自然への憧れの表れなのかもしれません。
本展では「富士山いろいろ」「潮騒が聞こえる」「春・夏・秋・冬」などのコーナーに分け、当館コレクションを中心に小品約80点を紹介します。ちいさくておおきな遙邨の世界を、お楽しみいただければ幸いです。
※会期中、展示替えがございます。
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●担当学芸員による列品解説会
日時:
1月15日(日)14時~(約40分間) ※終了しました
2月12日(日)14時~(約40分間) ※終了しました
3月11日(日)14時~(約40分間) ※終了しました
会場:美術館2階 第2展示室
※参加自由。ただし、入場券が必要です。
●ふれあい造形教室 「ちいさなちいさなわたしの世界―小さな箱に大きな自分の世界を作ろう!」
開催中のコレクション展「ちいさなちいさな遙邨展」にちなんだワークショップ。
自分が小さな生き物になったと想像して、「ちいさなちいさなわたし」の目に映る世界を、素材の面白さを生かして、箱の中に作ってみませんか?小さな箱の中に大きなあなただけの世界が、きっと広がることでしょう。
【日時】3月3日(土)13時30分~(2時間程度)
【場所】美術館3階 第2会議室
【講師】森茂樹氏(清心女子高等学校・清心中学校教諭)
【対象】小学生~一般(小学校1・2年生は保護者同伴)
【参加費】実費(500~800円程度)
【定員】20名(先着順)
【募集方法】事前に美術館にお電話(℡086-425-6034)でお申し込みください
※終了しました