倉敷市立美術館では、郷土にゆかりの深い作家たちの作品を中心に、近・現代の美術の流れを展望できるコレクションづくりをめざして収集活動を行っています。このたびの展覧会では、平成23年度に新しく収蔵した作品を中心にご紹介します。
郷土の風景や風土を撮り続けた倉敷市出身の写真家・中村昭夫の「母と子」は≪瀬戸内海の漁民≫のうちの1点で、海に生きる人々の姿を社会的な視点で追った初期の代表作のひとつです。また、パリでキュビズムを学んでわが国の抽象絵画のさきがけとなった坂田一男の「裸婦」は、渡仏以前に描かれた写実的で量感あふれる裸婦像で、これまで所蔵していなかった時期の作品がコレクションに加わりました。
このほかに、池田遙邨の「渓」や遙邨の門下生だった戸田英二の「スタジオにて」、さらに日本画家・松下淳子の「浄韻・タシルンポ寺」、銅版画家・内田智也の「巻貝#1」、洋画家・前田孝造の「赤い面」、柚木祥吉郎の「ボール遊び」など、はじめて所蔵する郷土作家の作品を展示します。作家たちが、個性豊かに表現した多彩な作品の魅力をお楽しみください。
●担当学芸員による列品解説会
日時6月3日(日)
6月17日(日)
14時~(約40分間)※終了しました
会場 美術館 2階第2展示室
※参加自由。ただし、入場券が必要です。