寄り添うことの大切さ
この度5年ぶり2度目の引率をさせて頂きました。
前回引率を経験して感じたのは、日本でどれだけ学生同士と引率者との交流が少なかったのかを痛感したことです。
前回・今回同様、男子3人・女子7人の構成でした。
比率的にも女子の人数が多い分、男子たちがなかなか女子の輪に入れず、アクティビティーの話し合いにもどこか消極的。
また数人ではあるけどNZへ行った際、環境に慣れなかったり、体調不良を打ち解けられなかった子もいました。
更に、私自身が学生達に注意ばかりする事も多かったのもあり、打ち解けにくいところもあったのでは?という事もありました。
この事に気づいたのは、帰国後課題を作成する際に自分の行動を思い返した時でした。
そしてその時「どうして気づけなかったのか。」「どうして学生達に都度確認できなかったのか。」と後悔が残っていたこと。
またすぐにではないけれど、この経験をリベンジできる機会がないかと思い悩んでいた矢先に新型コロナウイルスの波がやってきました。
うまく引率ができなかった苦悩を抱えたまま数年が経ち、次のチャンスが来ないかと待っていた時、今回ありがたいことに2度目の引率のお声がかかりました。
私は説明会で初めて学生メンバーたちとの対面となりました。
初対面ということもありメンバー達もやはり「どんな人なのだろう。」と不安や緊張が入り混じった表情でした。
このままだと前回同様、相談しづらい人として認識されてしまうため、挨拶で「あ、この人は話やすそう。」と思ってもらうためにNZにちなんだ内容を込めての挨拶をしましたが、あえなく失敗。
しかしその後のリーダー達を交えたメンバー同士の自己紹介の後、私からメンバー達へとある言葉をかけました。
「このプログラムはこの10人のメンバーで行きます。初めての場所、ましてや国を越えるなんてすごく不安だと思う。でもまず知っていてほしいのは“1人じゃないこと”。大人もちゃんと2人もついているのだから、困ったことがあれば抱え込まず、小さなことでもいいから相談してね。」と伝えました。
その思いが通じたのか、研修前に子どもたちから積極的に質問が来るようになりました。
ただ、メッセージでのやり取りでは積極的でもいざ対面となるとやはりどこかよそよそしいというような感じでした。
しかし研修を重ねていくうちに、対面でも気兼ねなく相談してくれるようになり壮行式にはすっかり打ち解けてくれるようにまでになりました。
今回の経験を通して私自身学んだのは、まずは自分から子どもたちに安心してもらえるような言葉をなげかける事の大切さを実感しました。
見ず知らずの人たちの集まり、大人でも「大丈夫かな。」と不安になるのに、
中学生である子どもたちはもっと不安な気持ちでいっぱいだったと思います。
そしていざNZへ行き、長時間のフライトを終えて、子どもたちに「お疲れ様でした。」とメッセージを送ると「自分たちを引率してくれてありがとうございました。」や「楽しかったし、いい思い出になりました。」と返ってきました。
そしてこの返事を見て「ああ、今回は子どもたちに寄り添う事ができたのかな。」と自分の気持ちが報われたように感じました。
これから先彼らにとってこの経験を通して私が引率者でよかったと思い返してくれるなら、私の後悔も報われたような気がします。