倉敷市立美術館では、郷土作家を中心に近代の美術の流れが展望できるコレクション作りをめざして、作品の収集活動を行っています。このたびの展覧会では、200点余りを収蔵する油彩画から約80点の作品をご紹介します。
幕末に西欧からもたらされた油彩画は、開国を迎えて先進の文化を吸収しようとする日本人にいち早く取り入れられていきました。岡山も、近代洋画の草創期に堀和平があらわれ、その後、満谷国四郎、原撫松らがヨーロッパに渡って油彩画の技法を学んでくるなど、多くの洋画家たちが活躍しました。戦後は、柚木久太や佐藤一章など日展で活動する作家を中心に岡山は洋画王国として一時代を築きました。その一方で、日本における抽象絵画の先駆者としてパリでキュビスムを学んだ坂田一男やプロレタリア美術運動に取り組んだ岡本唐貴、盲目の女性旅芸人である瞽女を描いた斎藤真一など独自の表現に取り組んだ作家も生み出しています。
画家たちはその時代にあって、油彩画で何をどのように表現しようとしたのか、人物画、風景画、静物画から抽象絵画までそのモチーフや表現方法に注目して展示します。郷土作家たちの進取の精神に満ちた作品の数々をお楽しみください。
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●担当学芸員による列品解説会 ※終了しました
日時:7月21日・8月18日(土)14時~(約40分間)
会場:美術館2階 第2展示室・第3展示室
※参加自由。ただし、入場券が必要です。