「旅をして本当に見たときの感動を絵にしたい。」そう語る日本画家の池田遙邨は、描きなれたところでも必ず現場に行くことで、その場の雰囲気を五感で確かめていたといいます。1895年に岡山で生まれた遙邨は画壇きっての健脚を誇り、日本各地の風景を描いてまわりました。主に帝展や日展を活動の舞台とし、実績を重ねながらも大和絵や児童画さらに先達の画家からの学びを得て数々の秀作を残します。
先達の画家の中でも、特に歌川広重に倣って制作した"昭和東海道五十三次"は、遙邨が実際に東海道を歩いて旅をした時のスケッチを元にした中期の代表作です。
また晩年に俳人・種田山頭火の俳句をテーマ制作した"山頭火シリーズ"は山頭火と遙邨の旅を愛する心が重なってうまれた作品で、今でも多くの人々に愛されています。
本展は行脚の画家・池田遙邨が日本各地を巡り、そこで得た感動を糧に制作した作品をご紹介します。旅からうまれた数々の秀作を是非会場でご鑑賞ください。
●担当学芸員によるギャラリートーク
日時:8月8日(日)、8月22日(日) 14時~(約30分間程度)
場所:美術館2階 第2展示室
※当日の観覧券が必要です
※8月22日(日)のギャラリートークは中止になりました。