近世より港町として発達した玉島では、港を通して芸術文化が伝えられ、多数の文人墨客が滞在します。その中でも江戸後期、玉島の地を愛して定住した讃岐出身の黒田綾山は、小野雲鵬ら優れた門人を輩出し、近世岡山画壇の基礎を築きました。
また、代々備中松山藩の吟味役等諸役を務めた柚木家は、当地の文化を支えるとともに優れた文化人を輩出しました。近代から現代にかけても玉邨、久太、祥吉郎・沙弥郎らの美術家が三代にわたり活躍しています。
さらに、日本画家の池田遙邨をはじめ、洋画家の坂田一男、陶芸家の小山富士夫、美術家の高橋秀ら、多彩なジャンルのゆかりの作家が全国で高く評価されていることも、玉島の文化的土壌の奥深さを示していると言えるでしょう。
町の繁栄を支え、風流を好んだ商人たちが担った茶の湯文化でも知られ、現在も地域に根づいた個性溢れる文化活動が繰り広げられている玉島。そこでは文化が過去から現在、未来へと脈々と繋がれています。
古く新しい、味わい深く濃い、玉島の豊かな文化を、ごゆっくりお召し上がりください。
●担当学芸員によるギャラリートーク
終了しました。
日時:9月29日(土)・10月14日(日) いずれも14時~(40分間程度)
場所:美術館2階 展覧会場内
※当日の観覧券が必要です。
●美術教養講座「玉島にのこる茶室とその魅力」
終了しました。
日時:9月23日(日・祝) 14時~15時30分
講師:池田 俊彦(イケダ数寄屋研究所 所長)
会場:美術館3階 講堂
定員:200名
聴講無料