国内有数の学生服メーカーとして知られる、倉敷市の明石被服興業株式会社の第5代社長・故河合正照氏は、著名デザイナーと提携して制服にファッションを取り込むなど、従来の画一的な学生服製造の世界に数々の革新的な業績を残しました。その一方、美術品の蒐集にも力を入れ、そのコレクションは日本画の東山魁夷や上村松篁、陶芸家の濱田庄司、金城次郎、洋画家の岡田三郎助ら日本近代美術の巨匠から、現在県内在住で活躍している陶芸家の久保田厚子や日本画家の森山知己ら郷土作家までと幅広く、バラエティに富んでいます。
特に郷土作家のコレクションでは、量感のある鮮やかな色彩で風景を描いた洋画家の阿藤秀一郎のまとまった作品を見ることができる貴重なものです。阿藤は現在の浅口市の生まれで、パリに渡って絵画を勉強しますが、帰国後は中央画壇とは離れて東北地方など各地を巡って制作し、晩年は倉敷市児島に住んで、亡くなるまで瀬戸内の風景を描き続けました。
また、備前焼のコレクションは、人間国宝の金重陶陽、藤原雄らの作品のほか細工物に至るまで丹念に集められ充実した内容となっています。
このたびの展覧会では、河合コレクションから約130点の作品を選んでご紹介します。多彩な作品の数々をお楽しみください。
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●担当学芸員によるギャラリー・トーク
終了しました。
日時:7月24日(日)、8月6日(土)、8月20日(土)
14時~(40分間程度)
場所:美術館2階展覧会場内
当日の観覧券が必要です。