倉敷市立美術館では、郷土にゆかりの深い作家たちの作品を中心に近・現代の美術の流れを展望できるコレクションづくりをめざして収集活動を行っています。平成25年度には、初めて作品を収蔵することとなった洋画家の木村福太郎、日本画家の塩田銕香のほか、洋画家の寺松国太郎、柚木久太、写真家の中村昭夫の作品あわせて5件の寄贈を受けました。
木村福太郎の「老漁夫」は、大分県の姫島に取材した力強い人物像で、日展に初入選した記念すべき作品です。幕末に現在の倉敷市で生まれた塩田銕香は、後年、現在の島根県出雲市に移って活動しました。「花卉図(薔薇)」は厚塗りの絵の具が油彩画を思わせます。一方、寺松国太郎の「花之精図」は、謡曲の「杜若」を題材に金地の屏風に油彩で描いて日本的な画題と西洋の技法を融合させた珍しい作品です。明るい色彩と軽快な筆致でえがかれた柚木久太の「渓流」は、小品ながら一貫して風景画を描いた柚木の作風がよく表れています。中村昭夫の「姫路城」は、1956年から8年の歳月をかけて行われた昭和の大修理に際して撮影されたもので、強大な人間のエネルギーと先人の英知によって生み出された造形美への真摯な態度を見ることができます。
このたびの展覧会では、このほかに、洋画家の児島虎次郎、佐藤一章、陶芸家の金重陶陽らの作品を展示します。郷土作家の多彩な表現をお楽しみください。
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●担当学芸員によるギャラリー・トーク
終了しました。
1月18日(日)、2月15日(日)、3月7日(土)
14時~