かつて日本人は、四季折々の自然を襖絵や屏風などに取り入れ、様々な趣向で愛でてきました。そうすることで、日々のくらしの中に美を見出す繊細な感性を培っていたのでしょう。しかし現代を生きる我々の眼は、身近な所にある美をつい見逃してはいないでしょうか?
このたびの展覧会では、320点余りの倉敷市立美術館の日本画コレクションの中から、池田遙邨をはじめ円山応挙、田能村直入らの屏風や襖絵など選りすぐりの作品をご紹介します。
中でも洋画家・寺松国太郎が能の「杜若(かきつばた)」に取材して金地の屏風に油彩で描いた「花之精図」は、西洋と東洋の感性が融合した不思議な魅力を持つ作品で、本展が初出品となります。
美術館を出た時、いつもの見慣れた風景に美を見出すことができるかもしれません。あなたのすぐそばにある美のとびらを、そっと開いてみませんか?
●担当学芸員によるギャラリー・トーク
終了しました。
9月20日(土)、10月18日(土)
14時~
美術館2階 展覧会場内
※参加自由。ただし、入場券が必要です。