開館以来、充実を重ねてきた倉敷市立美術館のコレクション。昨年度も多彩な作品が仲間入りしました。「新風礼賛」との名を冠した本展は、このたびの新収蔵品を中心とし、それらの価値をより深く知るためにいくつかの作品を補完して催すものです。
新たな収蔵品には倉敷とゆかりの深い高橋秀(1930-)の近作や、日本版画界を代表する作家・中林忠良(1937-)の作品、岡山で活躍した中津瀬忠彦(1916-73)、総社市生まれの皆見鵬三(1911-67)の油絵が含まれます。
当館コレクションの軸を成す日本画家・池田遙邨(1895-1988)については、彼にしてはめずらしく岡山を描いた初期の風景画と、疎開先の娘に送ったハガキ70枚あまりが寄贈されました。そこには家族の近況や戦況を絵と文章でわかりやすく伝え、娘を安心させようとする父親の姿があります。
このほか、倉敷に生まれた御船綱手(1876-1941)による画帖と屏風、バーナード・リーチ(1887-1979)の器も加わりました。
こうした新収蔵作品を中心に据え、新たな年と春の訪れを寿ぎます。新しい風にのって倉敷市立美術館のコレクションに出会いませんか。ぜひお越しください。
日時:1月21日(日)、2月24日(土)
いずれも14時から30分程度(申込不要、要当日観覧券)