倉敷市立美術館では令和3年度に新たに43点の作品がコレクションに加わりました。この度の展覧会ではそれらの作品を中心に、多岐にわたるジャンルのコレクションをお披露目します。
当館は郷土ゆかりの日本画家・池田遙邨から自作の寄贈を受けたことにより、旧市庁舎から美術館へと開館する運びとなりました。令和3年度は新たに写生帖がご遺族により寄贈され、そこには大正時代の代表作である「丘の道」などのスケッチが描かれています。
この他にも笠岡市出身の日本画家・小野竹喬の娘婿で日展を中心に活躍した下保昭の「耀」や、東光会の佐藤一章のもとで洋画を学んだ能登靖幸の「ろう石の山」などが新たなコレクションに加わりました。また大原總一郎の援助により、倉敷の羽島に窯を築いた小河原虎吉や息子で羽島焼2代目を継承した勝康の作品の他、香川県の讃岐の地で生み出され、岡山にも広がりを見せた讃岐漆芸などの工芸品も寄贈されました。
当館は引き続き「市民に開かれた美術館」づくりを目指して、池田遙邨をはじめ、郷土にゆかりの深い作家たちの作品を中心に、近・現代の流れを展望できる作品の収集活動を行って参ります。郷土の受け継ぐべき優れた文化を是非会場でご覧ください。