池田遙邨は1895(明治28)年岡山に生まれ、大阪で松原三五郎に洋画を学び、わずか19歳で文展に入選しました。23歳頃日本画に転じ、ムンクやゴヤへの影響から暗く悲惨なテーマを描いていた時期を経て、一転して大和絵を深く研究し、新しい解釈で描いた作品により帝展で特選を受賞しました。さらに歌川広重に憧れ、東海道を徒歩旅行し、また冨田渓山の影響が感じられる作品も描きました。第2次世界大戦後は、新しい表現を模索する作品を経て独自の視点と構図による新しい風景画の境地を切り拓き、晩年は漂泊の俳人・種田山頭火の句をもとにした絵を亡くなるまで描き続けました。1976(昭和51)年に日本芸術院会員、1984(昭和59)年に文化功労者となり、1987(昭和62)年には文化勲章を受章しました。
本展は、旅を愛し、数多くの心温まる作品を残した池田遙邨の魅力を、倉敷市立美術館所蔵の代表作を中心に紹介するものです。
主な出品作品
「あたらしい法衣いっぱいの陽があたたかい 山頭火」1988年、「南郷の八月」1919年、「浜名湖今切」1934年、「叢」1966年、「野」1968年、「なぎさ」1977年、「川」1978年、「錦帯橋」1982年、「芒原」1983年、「枯草につつましくけふのおべんとう 山頭火」1988年
●担当学芸員によるギャラリートーク
終了しました。
日時:9月18日(日)・10月2日(日) 14時~(40分間程度)
場所:美術館2階 展覧会場内
※当日の観覧券が必要です。