2012/03/14 塩見 允枝子「SPATIAL POEM No.1」 塩見 允枝子「SPATIAL POEM No.1」 1965(昭和40)年30.0×46.0×5.5cm/紙・ピン■作品解説塩見允枝子は1964年から翌年にかけてニューヨークに渡り、前衛美術運動・フルクサスに参加しました。フルクサスでは様々なジャンル、国籍の作家が実験的な試みを繰り広げ、特に日常的な行為を取り込んだ「イヴェント」と呼ばれるパフォーマンスを重視しました。「同封したカードに言葉を書いて、それをどこかに置いて下さい。そして何の言葉をどこに置いたか、どうぞ私に知らせて下さい。世界地図の上にそれらを編さんしますから」と書いて、塩見がフルクサスに関係する100人以上の世界中の知人に手紙を送ったのは、彼女が日本へ帰国する数ヶ月前のことです。78人から寄せられた返信の言葉を編さんすることにより、目で見る空間の詩ともいうべき作品〈ことばのイヴェント〉が生まれました。塩見はカードに書かれた言葉とカードが置かれた場所を表裏に記載した旗を作成し、世界地図の上に立て、参加者全員に送りました。一見他愛のない回答が編さんされると、この地上で多様な人々が日常生活を営んでいることが不思議な感動と共に実感されます。言葉だけが描かれた白い地図と旗は、作品を観る者(詩を読む者)の想像力を最大限にかき立てます。 in 5:彫刻・立体など