2012/03/09

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柚木 久太「朝暾」

1954(昭和29)年
80.3×100.0cm/油彩・キャンバス

作品解説

第10回日展に出品された本作は柚木久太の代表作のひとつで、錦江湾に浮かぶ桜島を描いた作品です。海と島の境目を画面のほぼ中央にとり、手前には鹿児島市街地が見えます。桜島の右後ろから昇る太陽のため逆光になった島の姿を、大胆に青を基調にした台形で描いており、そこにはときに噴煙を上げて人々の暮らしに災いをもたらす不気味さはありません。明るく穏やかな色彩でまとめられた画面からは、しらじらと夜が明け東の空に桜島の裾野から昇る朝日を見たときの感動が素直に表現されています。

in 2:洋画