2012/03/08

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中津瀬 忠彦「風景A」

1954-55(昭和29-30)年
50.0×97.5cm/油彩・キャンバス

作品解説

本作は、後楽園の木々と旭川の水面に映ったその影をモチーフにしています。フォルムを単純化していき、いくつかの塊として表現していくこのシリーズは、終生のテーマとして取り組んだ中津瀬忠彦のライフワークでした。中津瀬は一時期、「働く人々」のシリーズなどピカソを思わせるキュビスムに傾倒しましたが、この作品もキュビスムから学んだ画面構成の意識を展開した作品です。抑制の効いた渋い色調で描かれたこの作品は、均衡のとれたフォルムと堅実な構成力に支えられていながら、詩情性豊かな作品となっています。

in 2:洋画