2012/02/26

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横井 金谷「美人図」

1797(寛政9)年
118.0×36.5cm/絹本着色

作品解説

横井金谷は1788年、住職を務めていた金谷山極楽寺が消失したのを機に全国放浪の旅に出ました。本作も旅の途上、兵庫県北部の城崎温泉で描かれています。1823年頃には倉敷に逗留、倉敷市阿知にある観龍寺の風牀上人や倉敷の豪商・水澤邦綱らと交友し、この地に多くの作品を残しています。画人としての金谷は、もっぱら形式にとらわれない自由奔放でダイナミックな山水画を描きました。加えて、庶民的で身近な感情から発した飄逸な作品も多くあります。その画風は敬慕していた与謝蕪村の影響が見られる作品や、この作品のように南画に写生画のおもむきを加えた作品の他、洋風画を試みた風景作品など多彩であり、金谷の興味が多方面に及んでいたことをうかがわせます。

in 1:日本画