2012/02/21

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衣笠 豪谷「備中倉子城図」

1892(明治25)年
11.9×269.5cm/紙本着色

作品解説

1915年に刊行された『豪谷画葊遺墨集』にも掲載されている本作は、全長269.5cmの巻物で、倉敷の中心部から、ほぼ360度見渡した風景を描いた作品です。西は連島山から、時計と反対に南まわりで足髙神社がある葦髙山、福田越、笹沖村ときて、「金毘羅山ト云」と書かれた種松山、続いて福南山が描かれています。羽島山から鶴形山の観龍寺あたりを描いた近くには、「衣笠豪谷所生」と自分の出生地も明記されています。東から北へ目を転じると、二子金平山、福山、最後に酒津兜山で終わっています。当時の倉敷の様子を伝える貴重な資料といえるでしょう。

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