2011/05/01 青木 正春「呪詛」 青木 正春「呪詛」 1958(昭和33)年111.8×161.8cm/油彩・キャンバス■作品解説日本アンデパンダン展に出品した本作は青木正春の代表作のひとつです。昭和30年代は、情報通信網の発達により、新しい美術の動向が瞬時に全世界に伝わるようになりました。従来の常識では美術の範疇に入れがたい作品が次々に現れ、絵画・彫刻といった表現形式そのものが問い直される時代となっていきました。あらゆる定形を否定した抽象絵画、いわゆるアンフォルメル(非定形)絵画の登場も、この時代の出来事です。抽象絵画といってもこの作品は、ドリッピングを多用するような当時はやりの作品と違い、赤を主体とする絵具の層を塗り重ねることによって、うごめくような形態が形成されており、青木の内から発するような衝動を絵画化したものと言えるでしょう。 in 2:洋画