2011/04/21

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坂田 一男「裸婦習作」

1924(大正13)年
92.2×65.0cm/油彩・キャンバス

作品解説

坂田一男はわが国抽象絵画の草分け的な存在として知られています。1921年に渡仏、はじめオトン・フリエスに師事しますが、フェルナン・レジェの教室に移りキュビスムの研究に取り組みました。本作は、フリエスに学んだフォービスムの影響下にありながら、しだいにレジェが教える抽象へと移行する時代の貴重な作品のひとつです。限定された色彩を用いて描かれたどっしりとした人物表現からは、造形的な骨格を獲得するために真正面からモデルに立ち向かっていった坂田の真摯な制作態度が偲ばれ、背景の空間処理にはキュビスムへの過渡的な状況の中で模索を繰り返している様子が垣間見えます。

in 2:洋画