2011/04/21

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坂田 一男「コンポジション」

1926(大正15)年
55.0×46.1cm/油彩・キャンバス

作品解説

坂田は深い情緒性や豊かな装飾性を大切にする日本の風土の中で、葛藤を繰り返しながら理知的な創作活動を貫きました。彼はレジェに現実を再現するのではない新しい美術の表現を学びました。それは「見えるとおりに描くのではなく、知っているとおりに描く」というピカソの言葉にも示されている通り、視覚を超えた分析的で構成的な絵画表現の追求でした。幾何学的な形態を組み合わせたこの作品は、キュビスムの影響から純粋な幾何学的抽象への移行をうかがわせるもので、画面上に見られる現実世界を喚起させる壺などのイメージは、こののち次第に排除されていきます。

in 2:洋画