2011/04/21

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佐藤 一章「後向」

1929(昭和4)年
91.0×116.0cm/油彩・キャンバス

作品解説

本作は、1930年に開催された1930年協会第5回展に出品され、1930年協会賞を受賞した作品である。日本の風土に根ざした油絵の創出をめざした佐藤一章は、この時期、写生に徹した堅固なフォルムの追求を試みています。この作品は、茶褐色を主体とした画面やパレットナイフを使って量感を強調する手法などに前田寛治や佐伯祐三からの感化が、さらには前田が私淑したクールベへの憧憬がうかがえます。佐藤は、背中を向けた裸婦をテーマにした作品を何点も制作しますが、1930年協会の先輩たちの画風や技術を自らのものとするため習練を重ねていたと思われます。

in 2:洋画