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2012/03/14

大野 昭和斎「桑厨子棚」

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大野 昭和斎「桑厨子棚」

1982(昭和57)年
79.0×36.5×55.0cm/桑材

作品解説

木工芸の主な制作技法には、板材を組み合わせて調度品などを作る指物、轆轤を用いて椀などを作る挽物、檜や杉などの薄板を曲げて作る曲物、鑿などを使って木を刳って鉢などを作る刳物がありますが、大野昭和斎が得意としたのは指物でした。また、地となる木材に別の木材などを嵌め込み文様を作って装飾効果を高める線象嵌の技法を駆使した作品も多くあります。本作は、卓抜した指物技術がうかがえる昭和斎の代表作で、第29回日本伝統工芸展に出品されました。正倉院宝物の柿厨子に着想を得、使用金具は上代飾金具製作修理の第一人者・金江宗観に依頼して制作されました。

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2012/02/26

難波 仁斎「鳩ノ図手箱」

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難波 仁斎「鳩ノ図手箱」

1937(昭和12)年
24.4×34.5×14.8cm/漆

作品解説

本作は、自ら創出した描蒟醤の技法を駆使した仁斎の代表作のひとつで、透明な漆を根気よく丹念に塗り重ねたり、研いだりすることにより、立体的で格調の高い作品となっています。

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2012/02/26

林 鶴山「欅拭漆八角喰籠《鷹ヶ峰》」

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林 鶴山「欅拭漆八角喰籠《鷹ヶ峰》」

1988(昭和63)年
24.0×24.0×13.0cm/欅材

作品解説

木工芸の制作技法の中でも林鶴山が得意としたのは、欅や桑、花櫚などの材を刳って喰籠、香盆、盛器などをつくる刳物です。本作は第35回日本伝統工芸展の出品作で、上質の欅を用い、仕上げに20回以上も漆を塗って拭きとることによって光沢を出す拭漆の技法を駆使した鶴山の真骨頂を示す作品のひとつです。

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2012/02/26

山口 松太「油枩堆錦漆箱《粧》」

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山口 松太「油枩堆錦漆箱《粧》」

2001(平成13)年
21.5×11.0×13.0cm/麻・漆

作品解説

山口松太は難波仁斎に師事し、備中漆を用いて沖縄の堆錦技法を改良発展させました。本作は第48回日本伝統工芸展の出品作です。

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2012/02/26

伊勢﨑 淳「備前角壺」

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伊勢﨑 淳「備前角壺」

2007(平成19)年
48.2×30.5×10.5cm/陶土

作品解説

伊勢﨑淳は、備前焼細工物の名工といわれた伊勢﨑陽山の次男として生まれました。伝統的な技術をふまえた作品から斬新で造形性豊かなオブジェまで幅広い作陶表現を展開し、広範な視野に基づく真摯な制作への取り組みは、後進にも大きな影響を与えています。本作は、型物ながら白く抜けた土肌にわずかにかかった緋襷が印象的でモダンな作品となっています。

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2012/02/26

金重 陶陽「閑古鳥香炉」

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金重 陶陽「閑古鳥香炉」

昭和(戦前)
20.0×10.0×26.0cm/陶土

作品解説

金重陶陽の父・楳陽は細工物の職人として知られていました。陶陽は、幼少より父について備前焼を学び、20歳代で伊部を代表する細工師の一人として獅子や鳥などの細工物を手がけました。本作は陶陽が古備前を復興する以前、細工物の名手として活躍していた頃の作品で、箱書きの署名から30歳代頃の昭和前期の作品と考えられます。彩色備前は低温で焼成したのち彩色するため壊れやすく、現在確認できる陶陽の彩色備前はほんの数点に過ぎません。焼成後にすっきりとした線を出すために、数千本に及ぶ鶏の羽や足などの線を1本1本丹念にヘラで引いて描いています。

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2012/02/26

正阿弥 勝義「百代麟鳳鼎形香炉」

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正阿弥 勝義「百代麟鳳鼎形香炉」


13.7×11.0×10.5cm/金・銀・銅 他

作品解説

正阿弥勝義の作品の特徴は、形の写実性だけではなく、何種類かの金属を使って、より現実に近い雰囲気を出す色絵金工の技法にあります。本作も金、銀、銅などさまざまな素材を組み合わせてつくられており、その下絵と思われる手控えが岡山県立博物館に残されています。中国古代の青銅器の鼎をアレンジしてつくられたこの作品の最大の見どころは、雲形透かし彫りをした火家の上に乗った丸彫りされた精巧な麒麟の鈕で、口の中の歯や舌、鱗やたてがみの表現など隅々まで神経が行き届いています。画帯文は、向かい合う鳳凰をあしらっていますが、金の目を嵌入しているところなど細かい部分も正阿弥の真骨頂といえます。正阿弥は、終生、武士の時代の技術で作品を作り続けていくことに誇りを抱いていました。正阿弥のこうした作品は、フランスのアール・ヌーボーに影響を与えた可能性も指摘されています。

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