もくぞうびしゃもんてんりゅうぞう
木造毘沙門天立像
種別: |
国指定・彫刻 |
所在地: |
倉敷市浅原 |
所有・管理者: |
安養寺 |
指定年月日: |
明治34年8月2日 |
毘沙門天は四天王の一つで北方を鎮護する多聞天の別名です。仏法を守護し,財宝富貴を司る善神として人々の信仰を集めました。
浅原の安養寺には40体におよぶ毘沙門天の像が伝えられています。ひとつの寺にこれほど多数の毘沙門天像が祀られている例は県下では他に見られません。これは毘沙門天を集中的に祀る特殊な信仰が行われていたためだと思われます。
国の指定になったこの毘沙門天像は平安時代の作品です。像高約205cmの檜材の一木造りで体部には内剥りがあります。彫りは浅く現在素地となっています。また,この像は頭に筒形宝冠を載せ,地天女の捧げる両掌の上に直立しています。
こうした表現の毘沙門天を兜跋毘沙門天といいます。本来忿怒の相を浮かべる毘沙門天の像にしては表情がおとなしく,姿勢もほとんど動きがない直立像で,全体に素朴な雰囲気を漂わせる簡素な造りの作品となっています。
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