市の概要 ニュージーランド南島の東岸に位置し、人口約38万人、面積1412平方キロで同国第3位の都市です。 気候は、四季が日本の反対で、夏と冬の気温差は少ないが、1日の気温差が大きく、夏は乾燥し温暖でしのぎやすい。年間平均気温は11.7℃で、年間降雨量は650mm程度です。 同市の歴史は、1850年にロンドンのカンタベリー教会(英国国教会)の移住船4隻で800人の移民者が入植したことで始まりました。開拓当初から計画的な都市造りが行なわれ、ロンドンと同じように街の中心部を幹線道の中に置き、中央にカセドラル(大聖堂)を造り、各所に樹木を植え、石造りの建築物を建て英国的な街造りを進めました。 市内には、世界有数の南極の資料、開拓の遺品、マオリ族の資料、日本・中国の収集品を展示したカンタベリー博物館、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドの美術品を集めたマックドウガル美術館、植物園、2650人を収容できるタウンホールなどの各種文化施設があります。また、総合大学のカンタベリー大学、農業で有名なリンカーン大学など、同市はニュージーランド南島の経済、交通、文化、教育の中心地となっています。
人々のくらし 同市の名前は、英国オックスフォド大学の名門カレッジ・クライストチャーチに由来し、市民の間ではクリケット、ボート、アーチェリー、テニス、ラグビー、競馬などの英国的スポーツが盛んです。また、英国名門校の伝統を取り入れたクライストカレッジ(高校)を作るなど人々の生活の中にも母国の習慣が取り入れられ、街の形態と共に「英国以外で最も英国的な街」といわれています。 市内には161ヘクタールの広さを誇るハグリー公園をはじめ数々の公園があり、街の中を16kmにわたり流れるエーボン川の両岸には柳やポプラの並木が続いています。また、多くの人々が庭造りを趣味とし、毎年、庭や広場の美しさを競うコンテストが行われており、クライストチャーチ市は「庭園の街」としても世界的に有名となっています。
紀行 ●カセドラル(大聖堂) クライストチャーチの街は40年かけて建設されたこの教会を中心に開発が進められましたが、2011年の地震により北側尖塔部分が崩壊、その後の6月13日に起きた余震により正面のステンドグラスの窓や西側の壁が75%まで崩壊するなどの被害を受けた。 2013年8月に大聖堂跡の近くに紙管を使った仮設大聖堂(写真)がオープンした。設計は日本人建築家の坂茂で、少なくとも10年間は紙の聖堂が使用される計画である ●アートセンター 旧カンタベリー大学を改修して出来た芸術関係の施設で、映画館、小劇場、美術品を売るお店、土産物屋、レストランなどがあります。また、 各種のイベントやフリーマーケットなども開催されています。施設内には、ニュージーランド人で、1908年にノーベル化学賞を受賞した”核物理学の父” と言われるラザフォード(1871~1937)の研修室も保存されています。
●モナベール 市内を流れるエイボン側の川岸に,富豪が建てた屋敷で現在は市の管理となり、レストランとなっており、美しい庭の一部となっている エイボン川には水鳥が遊び、観光スポットとなっています。 ●アカロア クライストチャーチから車で約1時間のアカロアは、フランス人が入植したため、フランス風の街並が残る港町で、夏はクライストチャーチ市民のリゾート 地となっています。アカロア湾は火山活動で出来た噴火湾で、湾内ではペンギンや世界一小さいヘクターイルカを見ることが出来ます。