人生会議(ACP)のすすめ方
人生会議は一般的に、下記の手順で進めていきます。
自分一人では決められないことや、考えるのが難しい部分もあるかと思います。
そんなときは、家族と一緒に考えたり、わからない部分は飛ばしたり、一旦考えるのをやめても大丈夫です。
STEP1 考える
「あなたが大切にしていることはなんですか?」
まずは、今あなたが大切にしていることを考えてみましょう。
楽しかった思い出、自分が大好きなことや趣味、これから経験したいことなど、自分自身のことを考えてみることも、自分を知る手助けになることでしょう。
家族と一緒に過ごしたい、ペットと離れたくない、趣味を続けたい、美味しいものが食べたいなど、大切にしたいことは人それぞれです。
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「どんな医療やケアを受けたいですか?」
次に、自分にもしものことがあったとき、どんな医療やケアを受けたいかを考えてみましょう。
例としては、次のような問が挙げられます。
- 自分の健康状態や病気について、詳しい説明を受けたいですか?
- 病気やケガで障がいが残り、介護が必要となったら、どこで療養したいですか?
- 口から物が食べられなくなったら、胃ろう(※)などの処置を望みますか?
「わからない」「家族に任せたい」という答えも、もちろんあなたの価値観です。まずは無理のない範囲で、考えてみるところから始めましょう。
※胃ろう…手術で腹部に小さな穴を開け、チューブを通し、直接胃に栄養を注入する医療処置
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STEP2 想像してみる
「信頼できる人はだれですか?」
では、病状などによりあなたが考えや気持ちを伝えられなくなったときに、あなたの思いを託せる人は誰でしょうか。「あなたなら、きっとこう考えるだろう」と、医療・ケアチームと話し合ってほしい人を、想像して、慎重に考えてみましょう。
家族やきょうだい、友人のほか、かかりつけ医、介護関係者など、思いを共有できる相手は人によって様々です。また、一人である必要はありません。「妻と子どもで相談してほしい」など、複数の人になることもあるでしょう。
相手に、何を、どこまで打ち明けるか、もしものとき、自分の意思をどこまで尊重してほしいか、ゆっくり、いろいろなシーンを想像してみましょう。
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STEP3 話し合う
「あなたの思いを知ってもらいましょう」
ここまで考えてきたことを、STEP2で決めた信頼できる人に話してみましょう。
まとまらなかったり、意見が合わなかったりしても大丈夫です。まずは話し合うこと、伝えることが大切です。
あなたの価値観を知ることは、あなたの周りの人が医療やケアを選択するときのとても大切な手がかりになります。希望を伝えるときは、そう考える理由も合わせて、伝えてみましょう。
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STEP4 繰り返す
「今、あなたはどう思いますか?」
人の気持ちや考えが、時間の経過や心身の状態によって変化するのは自然なことです。
今自分がどう思うか、どんな考えを持っているか、定期的に考え、STEP1から3を何度も繰り返しましょう。
今のあなたに合わせて、人生会議(ACP)は変わっていきます。
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