睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう
睡眠中に赤ちゃんが死亡する原因には、乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)という病気のほか、窒息などによる事故があります。
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?
SIDSとは、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡する病気です。平成30年には60名の赤ちゃんがこの病気で亡くなっています。生後2か月から6か月に多く、まれに1歳以上でも発症することがあります。予防方法はまだ確立していませんが、次の3のポイントを守ることで、SIDSの発症率が低くなるというデータがあります。
3つのポイント
1 1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせましょう
SIDSは、うつぶせ、あおむけのどちらでも発症しますが、寝かせる時にうつぶせに寝かせたときのほうがSIDSの発症率が高いということが研究者の調査から分かっています。医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。この取組は、睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効です。
2 できるだけ母乳で育てましょう
母乳育児が赤ちゃんにとっていろいろな点で良いことはよく知られています。母乳で育てられている赤ちゃんの方がSIDSの発症率が低いことが研究者の調査からわかっています。できるだけ母乳育児にトライしましょう。
3 たばこをやめましょう
たばこはSIDS発症の大きな危険因子です。妊娠中の喫煙はおなかの赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし、呼吸中枢にも明らかによくない影響を及ぼします。妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。これは、身近な人の理解も大切ですので、日頃から喫煙者に協力を求めましょう。
窒息事故防止のために
1 ベビーベッドに寝かせ、柵は常に上げておきましょう
できるだけベビーベッドを使用し、国が定めた安全基準の検査に合格した製品であることを示す、PSCマークが貼付されたベビーベッドを選びましょう。
また、赤ちゃんは日々成長し、できることが増えるため、動かないだろうと油断せず、転落しないように、柵は常に上げておきましょう。赤ちゃんの頭や身体がはさまれないよう周囲の隙間やベッド柵と敷布団・マットレスの隙間をなくしましょう。
2 敷布団・マットレス・枕は固めのものを、掛け布団は軽いものを使いましょう
ふかふかした柔らかい敷布団・マットレス・枕は、うつぶせになった場合に顔が埋まってしまい、鼻や口がふさがれて窒息するリスクがあります。赤ちゃん用の固めの寝具を使いましょう。
掛け布団は、赤ちゃんが払いのけられる軽いものを使用し、顔にかぶらないようにしましょう。また、保護者が添い寝をするときは、赤ちゃんを身体や腕で圧迫しないように注意しましょう。
3 口や鼻をおおったり、首に巻き付くものは置かないようにしましょう
赤ちゃんは、寝返りをしたり、ずり上がったり、寝ている間も動き回ります。このため、枕、タオル、衣服、よだれ掛け、ぬいぐるみなどが口や鼻をおおったり、ヒモなどが首に巻き付いたりしてしまうリスクがあります。
11月は乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間です。
妊婦さんや赤ちゃんのいるご家庭は、SIDS予防の3つのポイントと窒息事故防止について、この機会に見直してみましょう。
厚生労働省作成SIDS対策強化月間リーフレットはこちらからダウンロードできます
⇒ 厚生労働省へのリンク