資料1 「自二十一年至二十二年 震災復興関係綴」(連島出張所より移管文書42-828)
(表紙)
翻刻
勧第一七八九号
昭和二十一年十二月二十二日
浅口郡連島町長臨時代理者 安原宇一
都窪浅口地方事務所長殿
災害速報
昭和二十一年十二月二十一日災害状況別記の通り報告します。
記
種 別
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概 況
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人 畜
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軽傷者数人あるも被害なし
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建 物
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全倒伏住家六、倉庫一、公会堂一、納屋一、
全倒伏にはいたらぬも修理のため着工すれば倒伏に至る現状のもの二十戸
半倒伏約五〇戸
大破(撚曲建替を要するもの)約一二〇戸
中破(壁脱落屋根辷落等) 約四八〇戸
小破(建具開閉ニ支障) 約七六〇戸 |
種 別 |
概 況
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海岸堤防 |
鶴新田地内二ケ所 計一五〇米、亀裂。 |
河川堤防 |
鶴新田地内 堤上 三ケ所延長七〇〇米、内側法先 壱ケ所延長
一〇〇米。
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海岸水門 |
二ケ所、取合護岸横断亀裂 |
橋 梁 |
大字連島地内一ケ所(脱落橋台崩落) |
道 路 |
大字鶴新田岡崎地内
幅二.五米 延長七〇〇米 従貫亀裂沈下底土噴出数ケ所 |
水 路 |
鶴新田字岡崎延長六〇〇米 幅二米 路底隆起排水不能。
其ノ他用水線、路底隆起して浚渫改修を要するもの二線
延長二粁、幅二.五米 |
耕 地 |
町内各字に互り亀裂を生じ底土塩水を噴出した箇所
千ケ所を下らず噴水により田畑に水の浸入したもの約百町
歩。
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「第一表 震災被害調査表」(PDF)
解説
「震災復興関係綴」のうち,地震翌日に浅口郡連島町長臨時代理者安原宇一が都窪浅口地方事務所長宛に提出した「災害速報」,都窪浅口地方事務所が昭和22年1月に調べた「震災被害調査表」を掲載しました。「災害速報」には,町内各字にわたり耕地に亀裂を生じ,底土塩水を噴出した箇所が1000カ所以上,噴水により水の浸入した田畑が約100町歩と記載されており,大規模な液状化が発生したことが分かります。「震災被害調査表」からは,都窪郡・浅口郡の中では干拓地の多い茶屋町と連島町で特に被害が大きかったことが読み取れます。