美作国高野郷中嶋氏受給文書(みまさかのくにたかののごうなかしましじゅきゅうもんじょ) 8通 附3通

- 種別
- 県指定・古文書
- 所在地
- 倉敷市歴史資料整備室
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所有・管理者
- 倉敷市
- 指定年月日
- 平成29年3月7日
中嶋氏は室町時代に美作国高野郷に居住した一族で、国人として発展したのち、浦上氏、羽柴秀吉の配下に加わったとされます。江戸時代に備中国に移り、窪屋郡亀山村の庄屋を務めた亀山家と婚姻関係を結んだことから、中嶋氏に伝わった文書が亀山家に伝来することになりました。本資料は、そのうち中嶋氏が南北朝期から戦国期にかけて受給した中世文書です。
鎌倉幕府の政所(まんどころ)執事を務めた二階堂氏の末裔を称した中嶋氏は、南北朝期には足利尊氏に従って軍功を挙げ、足利直義(ただよし)から所領の安堵を受けています。戦国期になると、天正2年(1574)ごろまでには浦上宗景(うらがみむねかげ)に仕えていたと考えられ、宗景と争った宇喜多直家(うきたなおいえ)と戦っています。宗景没落後は、織田信長を頼って活動し、天正6年(1578)羽柴秀吉から所領安堵を受けています。関ケ原合戦後は浅口郡片島村に居住したとされます。
本資料は、建武3年(1336)から天正6年(1578)にかけて受給した文書で南北朝期から戦国期にかけての中嶋氏の動態を裏付ける原本資料です。特に、足利尊氏発給文書は本件を含め計3通、足利直義発給文書は計2件しか県内では知られていません。浦上宗景発給文書は宇喜多氏との緊張関係が高まる中での宗景の動向を示すもので、また、羽柴秀吉発給文書は秀吉が天正6年の段階で美作への勢力浸透を図っていたことを示すものであり、岡山県の中世史を研究する上で極めて貴重な資料です。
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