賃貸住宅のトラブルとアドバイス

ページ番号1011303  更新日 2025年2月20日

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敷金が返ってこない!!修繕費を請求された!!

入居の契約をする前に気をつけたいこと

近年,賃貸住宅を退去する際の修繕費に関するトラブルが後を絶ちません。その内容は「アパートをきれいに使っていたのに敷金が返ってこない」「敷金ゼロと聞いていたのに多額の修繕費を請求された」などというものです。トラブルを未然に防ぐためには,退去時ではなく,入居前の契約時から注意することが肝心といえます。

事例1

入居時に敷金を払っていたが,退去する際返してくれない。大家に言うと,原状回復費用としてハウスクリーニング代・風呂の塗装代・柱の傷の修復代が必要と言われた。入居時の契約書を確認すると「借主は,明け渡しの際に原状回復しなければならない」とあり,大家は原状回復とは入居当時の状態に戻すことだと言うが,言うとおりの費用を負担すべきか。

事例2

敷金礼金ゼロということだったので即決したが,退去時になってハウスクリーニング代・壁紙の張替え代を請求された。

アドバイス

事例1について

ガイドラインによると,

  1. ハウスクリーニング代
    →借主が通常の清掃をしている場合,負担する必要はありません。
  2. 風呂の塗装代
    →借主が掃除や手入れを怠ったことによりカビなどが発生した場合は負担する必要がありますが,老朽化によるリフォームや,設備を最新のものに取り替えるようなグレードアップにかかる費用は負担する必要はありません。
  3. 柱の傷の修復代
    →入居前からあった傷ならば負担する必要はありませんが,入居前に立会いで傷の確認をしたり,写真を撮っておくなどの証拠がないと証明が難しくなるでしょう。

事例2について

契約書をよく確認しましょう。「敷金はゼロだが,部屋のクリーニング代や修理代が退去時にかかる」などといった「特約」が記載されていませんか。特約とは,当事者間の特別の条件を付した約束を意味し,通常の原状回復義務を超えた負担を契約書に定めるものです。民法の契約自由の原則に基づき,当事者間で自由に決めた契約内容は原則有効とされます。契約内容があいまいな場合は,原状回復ガイドラインを元に話し合いましょう。

いずれの場合も,契約前の段階で,修理代等の負担がどのようになっているかを確認することが大切です。入居時に払っておけば退去時にお金は戻ってくるのか,反対に入居時に不要なら退去時に何を請求されるのか,入居中にどんなことが起こったら追加で請求されるのか…ここのところを明確にしておかないと,結局トラブルを招きかねません。

契約から退去までのポイント

1 契約前

  • 原状回復ガイドラインの内容を理解し,契約締結の判断材料にする。
  • 事前説明はわかるまで確認。内容を理解し,納得して契約締結。
  • 特約はトラブルの原因になることが多いので慎重に。
  • 交渉の過程で約束してもらったことは,口約束だけで済ませず,契約書に記入してもらう。

2 入居前

  • 貸主や管理会社と立会いで,部屋の状況(キズや汚れ,設備・給排水の状況)を確認し,チェックリストを作成する。
  • 日付入りの写真を撮る。

3 入居中

  • 入居中のマナーを守り,契約違反をしない。
  • 汚れやカビを放置せず,こまめに掃除する。
  • 入居中,修繕等が発生したら早急に連絡する。

日ごろからこまめに貸主とコミュニケーションをとることで,お互いに信頼関係が生まれ,無用なトラブルを避けることにもつながります

4 退去時

  • 契約書に記載されている退去の予告期限までに連絡する。
  • きれいに掃除して明け渡す。
  • 入居時と同様,立会いで部屋の状況を確認。入居時に作成したチェックリストや写真で比較する。
  • 敷金の精算等の連絡があったら,明細書をもらい,立会い時に確認した内容と合っているか確認する。

それでもトラブルになってしまったら…

倉敷市の無料相談窓口

消費生活センター

消費生活センター(消費生活相談員による/電話・来所)

生活安全課市民生活係
  • 不動産苦情相談(岡山県宅建協会による/来所のみ)
  • 一般法律相談(弁護士による/来所のみ・予約制)
  • 少額法律相談(司法書士による/来所のみ・予約制)

※いずれの相談においても,賃貸借契約は民法の「契約自由の原則」に基づく契約であるため,解決に向けた助言は行いますが,当事者の事情を聞いて利害を調整したり,一定の判断を下してそれに従わせるという形の解決はできません。

話し合いでうまくいかない場合は,【司法手続】の利用も考えられます。

少額訴訟手続

60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて,簡易裁判所において原則として1回の審理で判決が言い渡されます。

民事調停手続

簡易裁判所で行われ,裁判官や調停委員が間に入り,当事者双方の意見を聞いた上で譲歩案などを示し,話し合いによって解決を図るものです。

※手続きに関することは簡易裁判所にお問い合わせください。

このページに関するお問い合わせ

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