資料3 溺死人漂着御届

資料3 溺死人漂着御届

資料3 「溺死人漂着御届」(倉敷市所蔵木村家文書330「明治十七年一月ヨリ 諸御用書上留 宇野津村」)

資料3-1

(表紙)

資料3-2

資料3-3

翻刻

溺死人漂着御届

備前国児島郡宇野津村字浜手海岸ニテ

着服ハ単物壱枚    男壱人

紺浅黄陪子      年齢凡十二三才

小倉茶縞帯ヲ〆

同村字同所

着服ハ単物壱枚    男壱人

浅黄縞 帯ナシ    年齢凡十一二才

右、明治十七年八月廿六日午前第二時頃,暴風ノ
タメ溺死相果候者,同日午後二時頃村方
江漂着仕,直チニ番人付置御届
申上候間,至急御検視御出張被成下度,
此段御届仕候也

衛生委員藤田友吉不在ニ付

代理

明治十七年八月二十六日      木村柾太郎

味野分署

御中

読み下し

溺死人漂着御届

備前国児島郡宇野津(うのつ)村あざ浜手海岸にて

着服は単物(ひとえもの)一枚    男一人

紺浅黄陪子(こんあさぎふし)    年齢およそ十二,三才

小倉茶縞帯(こくらちゃじま)を締め

同村あざ同所

着服は単物一枚    男一人

浅黄縞(あさぎしま)帯なし    年齢およそ十一,二才

右,明治十七年八月二十六日午前第二時ごろ,暴風のため溺死相果て候(そうろう)者,同日午後二時ごろ村方へ漂着仕(つかまつ)り,ただちに番人付け置き御届け申し上げ候間(あいだ),至急御検視御出張なし下されたく,この段御届け仕り候なり。

衛生委員藤田友吉不在につき

代理

明治十七年八月二十六日  木村柾太郎

味野(あじの)分署

御中

意訳

溺死人漂着御届
(発見場所1)

備前国児島郡宇野津村の浜手海岸

(遺体の特徴)

着物は単物(裏地のない和服)1枚  男1人

紺浅黄陪子の染め柄         年齢はおよそ12,3歳

小倉茶縞の帯を締めている

(発見場所2)

同じ村の同じ場所

(遺体の特徴)

着物は単物1枚           男1人

浅黄縞の染め柄 帯はなし      年齢はおよそ11,2歳

右記は,明治17年8月26日午前2時ごろ,暴風のため溺れて亡くなった者の遺体で,同日の午後2時ごろ宇野津村へ漂着した。ただちに遺体に番人を張り付けた上で届け出るので,至急現場に出張し検視していただきたい。このことをお届けする。

衛生委員藤田友吉不在につき代理

明治17年8月26日          木村柾太郎

(岡山警察署)味野分署

御中