天体望遠鏡(てんたいぼうえんきょう)(32センチメートル反射望遠鏡)
- 種別
- 市指定・歴史資料
- 所在地
-
倉敷市中央2丁目
- 所有・管理者
- 公益財団法人倉敷天文台
- 指定年月日
- 平成12年8月10日
この天体望遠鏡は,大正15年(1926)に原澄治個人の資力で設立された,日本最初の民間天文台である倉敷天文台に設置されたものです。日本における天文学研究の黎明期に,天文学の普及・啓発に大きな役割を果たしました。当時,我が国の天体望遠鏡は,官立の3施設にしか設置されていませんでした。この天体望遠鏡は,民間天文台という概念の無い時代に輸入・設置された大型の一級品で,後のアマチュア天文学研究に大いに寄与しています。
イギリスで使用されていたこの天体望遠鏡が輸入された当時,この望遠鏡に取り付ける反射鏡の加工技術は,国内では確立されていませんでした。国内では屈折望遠鏡が主流で,反射望遠鏡は国内に数えるほどしか存在しなかったのです。この望遠鏡には,イギリスの著名な反射鏡の研磨者であるG・カルバー(1834~1927)によって,1892年以前に研磨・製作されたと思われる反射鏡が取り付けられています。
イギリスで使用されていた望遠鏡を輸入したため,赤道儀の極軸の傾きが倉敷の緯度に一致しておらず,そのまま設置するわけにはいきません。赤道儀を置く土台を,イギリスと倉敷の緯度差だけ傾斜させて,極軸の高度角を補正し,望遠鏡を設置してあります。
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