ゲンジボタルは、卵から成虫になるまでに約1年かかります。
生涯の大部分は水中で生活し、成虫になってからの寿命は約2週間です。
岡山県備中県民局作成「ホタルの手引き」より抜粋
産卵(6月から7月)
交尾したメスは、500~1000個の卵を水辺の湿ったコケなどに産み付け、産卵後まもなく死んでしまいます。
卵は約0.5mmの楕円形で、淡黄色です。
ふ化(7月/卵期間約1ヶ月)
卵は、約1ヶ月後に孵化(ふ化)し幼虫が殻を破って出てきます。
そして、川の中に入り、長い水中生活を始めます。
水の中の幼虫(8月~翌年3月/水中生活約8ヶ月)
幼虫は、カワニナ(小さな巻貝)を食べて成長します
一匹が、大小あわせて合計約60個のカワニナを食べます。(大きなカワニナ(成貝)に換算すると20個ぐらい)
幼虫は夜行性で、カワニナのフタの部分から中に入って貝の肉を溶かして食べます。
幼虫は最初は1.5mmくらいで、水中で6回脱皮して、最後には25mmくらいになります。
上陸(4月)
幼虫はさなぎになるために、雨の降る春の夜(8~9時頃)に上陸し、湿った土の中に潜ります。
(幼虫は、水中にいるのに、地上に降る雨がどうして分かるのか不思議ですね!)
土の中の幼虫(4月~5月/地中生活約40日)
土の中に潜った幼虫は、約40日間もじっとしています。
ときどき、腹の先を光らせます。(前蛹といって、さなぎになる準備期間です。)
さなぎ
やがて、地温が23度以上になると、最後の脱皮をして、さなぎになります。
さなぎは透きとおったうすいクリーム色で、頭、はねやあしなどの形がハッキリと分かります。
5日くらいすると、足や羽根が黒く、成虫のような色になってきます。
成虫(6月/飛翔)
さなぎになって10~12日くらいで羽化が始まります。(もう一度、薄い皮を脱いで成虫になります)
オスが先に羽化し、メスは1週間ほど遅れて羽化します。
成虫になってからの寿命は約2週間です。