松原 三五郎「能道具図」
36.5×85.0cm/油彩・板
作品解説
本作には、能に用いられる道具、鼓・扇・見台・3冊の謡本が描かれています。扇には観世流の祖・観阿弥をあらわす「観阿」の文字が見えます。ページが開かれた謡本の曲目は『高砂』であり、クライマックスとなる場面が作品を見る者に読み取れるように描かれています。世阿弥がつくった謡曲『高砂』は、高砂尾上の松と住吉の松が夫婦であるという伝説を素材とし、天下泰平を祝福するめでたい曲目で、婚礼など祝賀の席で多く謡われます。この作品を描くにあたって、松原三五郎は祝いの意味を込めた絵を依頼されたのかもしれません。
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