正阿弥 勝義「百代麟鳳鼎形香炉」

ページ番号1012863  更新日 2025年2月19日

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写真:正阿弥 勝義「百代麟鳳鼎形香炉」

13.7×11.0×10.5cm/金・銀・銅 他

作品解説

正阿弥勝義の作品の特徴は、形の写実性だけではなく、何種類かの金属を使って、より現実に近い雰囲気を出す色絵金工の技法にあります。本作も金、銀、銅などさまざまな素材を組み合わせてつくられており、その下絵と思われる手控えが岡山県立博物館に残されています。中国古代の青銅器の鼎をアレンジしてつくられたこの作品の最大の見どころは、雲形透かし彫りをした火家の上に乗った丸彫りされた精巧な麒麟の鈕で、口の中の歯や舌、鱗やたてがみの表現など隅々まで神経が行き届いています。画帯文は、向かい合う鳳凰をあしらっていますが、金の目を嵌入しているところなど細かい部分も正阿弥の真骨頂といえます。正阿弥は、終生、武士の時代の技術で作品を作り続けていくことに誇りを抱いていました。正阿弥のこうした作品は、フランスのアール・ヌーボーに影響を与えた可能性も指摘されています。

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