令和7~9年度の3年間の収支試算を行ったところ、水道事業の運営に必要な資金は246億円であるのに対し、水道料金は203.6億円と見込まれており、42.4億円(現行の料金収入の20.82%に相当)の資金不足となるためです。
- 10%引き上げした後に、さらにそこから20.82%引き上げするの?
10%引き上げも、20.82%引き上げも「現行料金から」です。
例)現行料金が1か月2,200円(税込み)の場合
令和7年3月検針分以降 2,200円から10%の引き上げ → 2,420円
令和8年3月検針分以降 2,200円から20.82%の引き上げ → 2,658円
今回、料金体系の見直しは無く、一律の引き上げとなります。
一例として、一般用 2か月 50㎥使用の場合の計算は次のようになります。
<現行から10%引き上げ後>
20㎥まで 基本料金1,980円・・・(1)
20㎥を超え40㎥まで 超過料金121円/㎥×20㎥=2,420円・・・(2)
40㎥を超え50㎥まで 超過料金 139円/㎥×10㎥=1,390円・・・(3)
(1)+(2)+(3)=5,790円・・・(4)
(4)×消費税10%=6,369円
<現行から20.82%引き上げ後>
20㎥まで 基本料金2,174円・・・(1)
20㎥を超え40㎥まで 超過料金133円/㎥×20㎥=2,660円・・・(2)
40㎥を超え50㎥まで 超過料金 152円/㎥×10㎥=1,520円・・・(3)
(1)+(2)+(3)=6,354円・・・(4)
(4)×消費税10%=6,989.4円 ⇒ 6,989円(消費税の小数点1位以下は切り捨て)
令和6年1月に市長から「水道料金の適正水準について」諮問を受け、学識経験者や一般公募等で構成する水道事業経営審議会で4回の審議を行い、同年6月に審議結果をまとめた答申書を市長に提出しました。この答申を踏まえて、水道局で水道料金改定案をまとめ、同年9月定例市議会に水道料金改定に伴う条例改正案を提出し、承認を得ました。
- 税金や借入金を活用すれば料金引き上げをしなくてもよいのでは?
倉敷市水道局は地方公営企業であり、独立採算制で運営することされています。そのため、水道事業の運営に必要な経費は、税金ではなく、水道利用者の皆様にお支払いいただいている水道料金でまかなっています。
借入金については現在も活用していますが、過度に借入金に依存することは将来世代への負担が増すとともに、経営の不安定化につながるため、借入金の活用は一定程度に抑制することとしています。
- 内部留保資金を取り崩せば料金引き上げしなくてもよいのでは?
内部留保資金は、災害等の際に料金収入が途絶えた場合の当面の運転資金や水道施設・水道管の復旧費用として最低限の額を確保しているものです。現行の料金水準では、最低限の内部留保資金が確保できなくなる見込みであり、料金引き上げに代えて、内部留保資金の取り崩しができる状況ではありません。
- 料金引き上げをする前に経費削減努力をするべきでは?
水道局ではさまざまな業務の効率化に取り組んでいます。一例は次のとおりです。
【主なの取り組み】
浄水場の空きスペースへの太陽光パネル設置(電気料金削減)
検針や料金収納などの営業業務の外部委託(人件費削減)
検針時の納入通知書即時発行(郵送料削減)
料金支払い手段の拡充(印刷・郵送料削減、収納率向上)
老朽管の更新や漏水調査(漏水量の減少)
令和5年4月1日時点で1か月20㎥使った場合(中核市平均:2,844円)
現行料金2,200円 ⇒中核市62市のなかで5番目に安い
現行から10%引き上げ後4,400円 ⇒中核市62市のなかで10番目に安い
現行から20.82%引き上げ後4,658円 ⇒中核市62市のなかで24番目に安い
今回、下水道使用料の改定はありません。